令和一年間(2019.5.1.~ 2020.5.31.)の新聞報道・ラテンアメリカ地域、検証

2020.6.5.

 

2019年5月1日より、日本の元号が『平成』から『令和』へ変わり、この一年間に記載された、新聞の『ラテンアメリカ地域』報道に関して、その傾向を検証してみた。

 

その結果、この地域の報道は、104件記載されていたが、それを分野別に、『政治』、『経済』、『社会』、『文化』、『芸術』に分類してみると、政治が27件(26%)、経済が、25件(24%)、社会が31件(30%)、文化が15件(15%)で芸術が4件(5%)の内容であった。

 

その内容を,以下に検証してみたい。

 

 

政治:(27件)

 

27件の報道の内、『ベネズエラ問題』が一番多くて11件で、マデュロ政権とこれに対して,正統性を主張する,グアイド国会議長の対立があり、グアイド氏を支持する米国のトランプ政権と、現マデュロ政権を支持する、ロシア、中国との間で国外での応酬に発展して報道されている。

 

これにキューバが絡んで複雑化して、また、ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を誇る資源問題の影響もあり、なかなか解決できない。

 

二番目が、ボリビアの大統領選挙をめぐって対立した問題で、これが3件。

 

今回の問題は10年にわたり政権を担当した先住民出身の、エボ・モラレス大統領が、二期以上の再選を禁止している憲法を無視して、強引に四選を行い、反対派のデモに、サンタクルス地域の軍や警察が同調して辞任に追い込み、大統領はメキシコへ亡命、その後キューバ経由でアルゼンチンへ亡命したと伝えられており、今は暫定政権である。

 

その次は、いずれも2件で、ペルーの国会議員選挙でのフジモリ派の後退、ウルグアイでの大統領選で、野党、国民党のラカジェ・ボウ前上院議員が勝利、中米のエルサルバドルでは、第三勢力のブケㇾ氏が大統領に当選、就任。アルゼンチンでは予備選挙で、現大統領派が敗退、メキシコではAMLO政権の一年間の評価は上々で、支持率は68%、この理由は、対米姿勢。

 

その他としては、G20(大阪)、G7(フランス)、ダボス会議、INFA{米・ロ中距離核戦力全廃条約}失効であった。

 

経済:(25件)

 

OPEC原油協調減産問題と、コロナ問題での原油価格急落問題が、各々4件。これらは域内経済にも影響する。続いて、ブラジル・トヨタの増資、日本お製紙メーカーの投資が3件。イランの米国による禁輸措置、メキシコに対する米国の関税引き上げ問題、アルゼンチンの経済危機問題、チリ―の国内デモによるAPEC並びにCOP25の開催辞退が各2件。

 

その他が、カルロス・ゴーン(ブラジル人)のルーツ、中国マネーによる、中米。カリブ海諸国の台湾との断交ドミノ問題、さらにIMFによる2020年の世界経済予測(マイナス)。

 

 

社会:(31件)

 

ブラジル・アマゾン火災、環境破壊問題、同じくブラジル・リオカーニバルとコロナ問題賀、各々4件。

 

チリ―の過去の津波と日本の東北との交流、チリ―の容疑者のフランスへの引き渡し、チリ―のサンチャゴ市内へのピューマの出現、各3件、キューバのハイメ・オルテガ元大司教死去、フランシスコ法王の指示で、フィデル・カストロ議長と米国のオバマ大統領の仲介を行って、両国の国交正常化に貢献。ペルーでコロナのため邦人観光客足止め、各2件、1件として;『令和天皇即位』、『眞子さま、移民120年の式典にペルーとボリビア訪問』、『トランプ大統領、国賓として訪日』、『人間の安全保障を解いた緒方貞子氏死去』、世界的にコロナ蔓延。

 

 

文化:(15件)

 

ペルー・アンデス・パコパン遺跡で、アンデス最古の『いけにえ儀式の痕跡』、人骨発見(BC500~50)、関野吉晴氏・アマゾン通い50年、ペルー・マチュピチュ村と友好都市提携(福島県大玉村)、マリオ・バルガス・リョッサ、プリンストン大学で特別講義、元国連事務総長デクエヤル氏(元ペルー外交官)死去、パルコ劇場『ピサロ』二人の人間の衝突と多元性について渡辺謙さん上演、など各5件。

 

ローマ法王、現場主義で世界を駆ける、2件。そして、1件は、チョコレート『神の食物』の裏側、メキシコ産地酒を輸出、他に、ニカラグア、パラグアイ、アルゼンチン、各1件。

 

 

芸術:(4件)

 

メキシコ・トナラ焼陶器のクリスマス飾りなど2件。ブラジル、ボサノバの神様、ジョアン・ジルベルト氏死去.(イパネマの娘)、渡辺謙氏ピサロ上演。各1件。

 

 

記事の中の、言葉の印象

 

ブラジル・元大統領、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ氏、著書『従属と発展』、米国への反感とあこがれ、ラテンアメリカの苦悩、国を壊した米国への豊を求めての移住。

 

‘北米の植民化は、英国での支配から逃れ、自由となるためであった。入植者には土地が分配され、土地所有者を通して、富の蓄積が行われた。米国には資源だけでなく、消費する市場ができた。

 

‘スペイン、ポルトガルは先住民をカトリックに改宗させるために来た。宗主国の貴族など有力者しか、土地の所有が認められなかった.富や生産物は本国へ送られた。

 

 

考察:

 

今回の検証では、ラテンアメリカ地域を越えて論じられることとして、日本の天皇の即位、G20/大阪、G7/フランス、APEC/COP25、ダボス会議、IMF世界経済予測、INFA失効などが、この一年報じられていた、『一国主義』にこもる中、政治・経済のブラック化に戻らず、コロナ問題への協調体制での終息努力を含めて、やはりグローバルな視点で世界を見る必要があるのではないか。

 

資料:朝日新聞/朝刊/夕刊

 

(エンリケ設楽)

 

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